第1回少年ライバルコミック大賞
応募作品講評
【ア行】
講評はペンネームを50音順にして掲載しています。
※応募規定を満たしていなかった作品については、選考の対象外といたしました。そのため、講評などもしておりません。

ペンネーム

タイトル

概要

講評

相杏哲男

ヒーローになりたい

特撮ヒーローにあこがれる少年が好きな子の為に頑張る。

ありがちな設定で、ストーリーもどこかで読んだことのある感じ。無難にまとめているので最後まで読める作品ではあります。これに、どこまで自分の色を付けられるかが大事な部分です。また、気弱な少年がいきなり覆面を被って登場し、勝ってしまうという部分や、そんなおかしな少年に対して優しすぎるヒロインなど、ストーリーにとって都合のいい展開が目に付きました。絵柄もまだまだ技術不足。描きまくって上達してください。

青木彩代子

コンビニ店員!!アルバイター

コンビニでバイトすることになった主人公に、教育係としてついた先輩の女性は、いきなり猫のかぶり物で接客を始めた。

テンポがよく、絵もセンスがあるので、シュールなのに入っていきやすいギャグ漫画になっています。先輩バイトのハチャメチャな行動っぷりには笑わせられました。ただ、笑いのセンスとしては、好みの分かれるところかもしれません。特に、後半の、魚の形をした常連客が入ってくるところで、この漫画世界にあった約束事(突拍子もないキャラはいても、基本的に現実に沿っている)がいきなり破られてしまった印象を受ける人は多いのではないでしょうか。もちろん、その型破りなところを活かして、そんなこと気にならないくらいにギャグの爆発力を上げていってくれれば、文句なく雑誌掲載レベルのギャグ漫画になっていくと思います。絵に関して言えば、ていねいに描いているのが好印象。コマ割りを見やすくするともっともっとよくなりそうです。

青木勉

カミきって

失恋した美少年(?)が、片思い相手の少年に髪を切ってもらう話。

一つのエピソードが紹介されているだけで、まだストーリーもキャラクターもわからないまま終わってしまったという印象です。2人の少年が織り成すドラマを描きたいのであれば、彼らがどんな人物なのか、過去にどのようなエピソードがあったのかなど、相関関係をしっかりと描く必要があったのではないでしょうか。そのためには、やはり6ページでは足りなかったのではないでしょうか。

青空あいる

ちかーん

電車で痴漢にあった少女と助けた少年の恋。

綺麗な絵はもっと上手くなりそうな印象。女の子は可愛いですが、男の子の描き方が女性っぽいので、少年誌ではその部分の強化が必須です。痴漢を退治したくらいでキスまでしちゃっていいのか、という気もしますが、あえてベタベタな展開でいくなら、もう少し設定やキャラの押し出しにこだわるべき。また少年誌での活躍を考えるなら、できれば視点は男の子のほうがベター。

あおやぎかおる!

海のイワマル 鵯越えの銛

銛打ちの岩丸は、同じ銛打ちの父を巨大イカとの戦いで亡くしている。父の敵を討とうとイカ征伐に名乗りを挙げる。

銛打ちという題材に特化して、新しいアクションシーンを描こうとした気概は買えます。いかんせんストーリーが単調すぎるし、キャラクターたちの想いも描ききれていません。ラストも感動より都合のよさを強く感じてしまいます。

赤池真実

ガラム

竜の石に選ばれた姫が立派な大領主になる努力をする。

ありがちな世界観ではありますが、話をまとめ、最後まで読ませる力があります。読者に楽しませることを狙ったシーンを、意識的に描こうとしている姿勢は良いのですが、キャラクターそれぞれの魅力が弱いのが残念。特に竜の石に選ばれた主人公の姫が、なぜ選ばれたのか、姫にしかできないことは何なのかが知りたかったです。セリフだけでなく、姫をもっと動かしてほしかったと思いました。

赤井聖雪

ミッション・フォー・ザ・イヴ

入選

入選

明奇夜空

秘密と美人と関係ないけど

月へ向かうアイドルと偶然出会ったサイボーグの青年が、彼女を守るために逃走劇を繰り広げる。

どれをとっても独善的で支離滅裂な印象が強く、非常にわかりづらかったです。主人公は誰なのか、どのような物語なのか、読者に楽しんでもらいたいセールスポイントはどこなのか。描き始める前に、まずそれらを整理したうえで取り組んでいってください。

灯まゆ

桜華の詩

賭けトランプでクラスメイトに負けている主人公が、ヒロインに助けてもらう。

何も説明がないまま、物語が始まって終わるという印象です。主人公はどんな人物なのか、どのような経緯で賭けトランプをやることになったのか。読者に対して自分が伝えたいもの、描きたいものをもう少し表現してほしかったです。そうでないと、主人公とヒロインが力を合わせてゲームに勝つ姿を見ても、爽快感を得ることができなくなってしまうと思います。

あつむ海

タケルの勇気

貧弱な少年の前に妖精が現れ、強くなるための指導をし始める。

乱暴なクラスメイトから好きな子を守る、というありがちな話で、キャラも普通なのですが、妖精を出したことで変化がつきました。最後は助けた女の子よりも妖精のほうが好きになっちゃうのですが、そこは素直に女の子とハッピーエンドでよかったかも。問題は画力。ケンカの迫力やキャラのかっこよさ、さらに妖精の可愛さなど、必要なものがなさ過ぎるのが最大の弱点です。改善に努めてみてください。

アニィたかはし

学園プリンセス姫野ユメミ

女子学生の姫野ユメミと、女生徒に大人気の仮面をつけた王子先生との4コマ漫画。

タイトルに「学園プリンセス」とありますが、漫画の中で主人公である姫野ユメミは単なる天然ボケなキャラクターでしかなく、平凡な印象になってしまいました。主人公はもっと印象深いキャラクターになるように描いてほしいです。また、シュールなネタであっても、どこを面白がって欲しいのかというポイントはつくるべきでしょう。共感するところのない意味不明なものでは笑いにはつながりません。

雨鳥

妖怪絵師石火

絵を描くことで妖怪を出現させる少年の妖怪退治。

最後まで読ませる力があります。主人公のキャラクターもいい感じですが、読者の頭に焼き付ける工夫がもうひとつ足りなかったかも。読者が共感できる部分がほしかったです。また、敵の妖怪も自分で呼び出す妖怪も、この作品にふさわしい「おどろおどろしさ」にもう一歩届いていない印象でした。

雨鳥

むこうがわのまさか

大賞

大賞

アメツユ組

俺様な彼女

失恋した女性のもとに少年の魔法使いが現れる。

絵は描きなれているようで見やすいのですが、成年女性が小学生男子を奴隷のように扱う漫画は、少年誌では誰にも感情移入してもらえないでしょう。ギャグも「かわいい男の子好きな人向け」に思えてしまい、笑うところがわかりませんでした。漫画としておかしいというのではなく、発表するべき場所がほかにあるのだと思います。

彩人

夏にとける

15歳の少年と、家に居候しているパンダとの会話。

パンダのキャラはかわいいです。さらにもっと忘れられないパンダにするためには特徴を強化する必要があります。8ページの作品なので会話だけで終わるのも無理はないのですが、次回はもう少し「何を見せたいのか」を絞って、短い中にもメリハリをつけることを考えてみてください。

あらたにみまる

本日。春風注意報

男にモテてしまうほどの美少年・春風は、実は霊能者でもあり、その可愛さを除霊にも活かしていた。

女装した美少年が、何故かやたらと肉体的なやり方で霊と戦うというのは面白かったですが、まだまだ画力が足りていない印象を受けます。例えば主人公が「可愛い」という設定を、もっと説得力をもって見せられるような絵を描いてほしかったです。

あらたにみまる

バーゲン戦争

バーゲンは女同士の戦いの場。目玉商品をゲットするため、主人公の苛烈な戦いが始まる。

主人公の女の子と、ライバルとなるおばさん達の描き分けが明確で、バトルが見やすかったです。ただ、ネタとしてはよくある部類に入るものですし、何か独自のものがほしかったのも正直なところ。

あらたにみまる

モジャ☆パニック

もじゃもじゃ人形大好きな少年は、実は遠い星にある「モジャード王国」の王子だった。

バカバカしい話を、テンションの高さを持続して描けていたのはよかったと思います。しかし絵の描き方が雑なのと、ギャグが同じ方向のネタ一辺倒なのが少しつらかったです。

あらたにみまる

サヨナラゾンビくん

無気力な毎日を送る主人公の少年が、突然現れた夢魔・サキュバスに魂を奪われてしまう。

サキュバスが鮮やかに主人公の魂を奪ってみせる導入部が、いきいきと描かれていて良かったです。読者に「この後はどうなるんだろう?」という期待感を抱かせつつ、読み進めてもらう力があると思います。その分、絵・ストーリーとも後半で息切れしているところが惜しかったです。実際に死の瀬戸際を体験してみて、それがどのような世界なのか。主人公がどう感じたのか。魂を奪われる前後の環境や心情の変化をより丁寧に描くことで、「やっぱり死にたくない!」と思って頑張る主人公の姿が、より面白くドラマチックに見せていくことができるのではないでしょうか。

生田修太郎

MIGHTY DEAD LOVERS

「運命の出会いがある」と占いに書かれていた日に死んでしまった主人公。死んでからある男性に一目惚れする。

キャラクターの感情を上手く表情で描いているので、生き生きとした印象を受ける漫画に仕上がっています。コメディシーンの描き方にも長けていて、気持ちよく最後まで読んでいけました。しかし、ストーリーに意外性がなさ過ぎたことが残念でした。「ある人専用の死神」というのは面白かったので、それを最後に出すだけでなく、もっとストーリー上で活かせればよかったかもしれません。絵についてはある程度完成されていますが、スムーズすぎて逆に目が止まらないコマ割りと、人物の描き分けの点で、まだまだ向上の余地がありそうです。自分の描き方のスタイルは確立しているのでしょうが、敢えて今からでもいろんな絵柄に挑戦することで、幅を広げようとしてみてもいいかもしれません。

行富与助

神理の翼

神々と人間の世界再生の物語。

壮大なテーマに挑んだ意気込みは買いますが、テーマに偏りすぎて、キャラやストーリーが読者を置き去りにした印象でした。1ページ目に絵が一切なく、ナレーションで導入を行っても、その時点で興味が削がれます。コマ割も細かすぎるので、全体的に「読者に読んでもらう」という視点を持ってほしいです。

いくまさ鉄平

秘密結社おやカツ

元気のない日本の親父世代を救うため、おやじ活性化委員会が活躍する。

おやじ世代の哀愁を上手く描写できている部分もありました。しかし、全体的に散漫な描き方で物語に入り込みづらかったですし、テーマに興味のない人をもひきつけるような工夫もありません。絵柄も研究してほしいです。

池田マサトシ

MONSTER'S GARAGE

戦いのプロの少年が女の子に雇われて化け物退治をする。

絵柄の方向性は少年誌向きです。バトル漫画のわりに躍動感が不足しているのが気になりました。また主人公たちの強さの理由や、なぜ戦うのかという動機が見えないため、感情移入ができなかったのが残念。バトルそのものにも、主人公たちが一番かっこよく見える工夫を盛り込んでほしかったです。

池山友里絵

TOKIMASA

時の番人を務める主人公が、トラブルで時代が混ざり合ってしまった世界を元に戻そうとする。

主人公とヒロインのドタバタ劇がメインになってしまったため、現代に様々な時代が混ざり合うという設定が活かし切れてないという印象を受けました。絵柄がやや古臭く感じられるところも気になります。 

石迫勇斗

工楽屋

ロボットやマシーンを作る工楽屋が人助けをするドタバタギャグ漫画。

ギャグの形になっており、様々なキャラクターが入り乱れてドタバタと楽しい雰囲気は感じました。ただ、作画の面で、人間キャラクターの姿形が似ていたり、背景と人物の線が同じだったりと、見づらさが目立ちました。同じ画面にキャラクターが入り乱れるドタバタギャグでは、見づらいと面白さが伝わらないので、見やすい画面作りを心がけてください。

イシヤ

&スマイル

魔法使いの家に生まれた少年が自分の力を肯定していく。

現代を舞台にして、魔法を管理する役所があったりと、設定の部分では色々アイデアを出そうとしていると感じました。魔法使いが手品師をやって正体を隠しているのですが、漫画で描いてしまうと魔法も手品も一緒に見えるというのが最大のネック。全体的に淡々としすぎていて、少年漫画にほしい熱量が足りないようにも思いました。

からてか!

空手が強い女子高生が主人公の4コマ漫画。

女の子の絵はかわいいところがあるのですが、なにぶんネタがあまりにも使い古されていて笑えませんでした。主人公の女の子は空手が強くて料理が下手など、キャラクターにも意外性を感じませんでした。どこかに新味のあるキャラクター作りを心がけてほしいです。

井尻裕二

カコドク

他人の目を見ればその人物の過去がわかる能力を持つ主人公。彼が同級生の女の子の「過去」をのぞくと、父からの苛烈な暴力が見えた。

重苦しいテーマに真正面から挑んだ姿勢は立派。しかし、主人公が女の子の過去に絡んでいく動機の必然性や、その解決方法の単純さなど、読んで納得のいかないところも多かったです。重要な情報が開示されるコマはもっと大きく見せる、など、コマ割りも基本から見直してみては。

一枝しう

今そこにあるワニ

食い逃げをしようとしたワニが逆切れするギャグ。

小難しいことをするのではなく、正面から誰にでもわかるギャグ漫画を描こうとする姿勢はいいと思います。そのギャグを、セリフに頼りすぎたところと、展開として加速していく勢いがなかったところが残念でした。セリフで押すのなら、もっと切れを磨いてほしいと思います。また、ギャグと言えども画力の向上は必要だと思います。

市川智秋

ウサギトビ!

囚人のチルコは身体能力を警察に買われて、脱獄囚の捕獲に協力する。しかし、殺人を見世物にしようとする看守長に利用されて……。

不安定な囚人のチルコと、そのチルコの面倒を見る真面目な監察官ケンシロウというコンビの掛け合いは良かったです。しかし、あまりにもチルコの性格がコロコロと変わるので、チルコに感情移入するのが難しく、チルコ主体のドラマについていけませんでした。誰の感情に沿ってドラマを見せていくのかを丁寧に描けると、もっと面白い作品になったと思います。台詞やエピソード、構図などにセンスの良さを感じるので、次回作に期待したいです。

一之瀬健太

キムチ

あることを理由にいじめられている主人公が、いじめっこ達を見返すことを夢想する

「いじめや差別をなくそう」というメッセージは、十分に伝わりました。主人公がいじめられる様子を生々しく描き、その解決の難しさを真正面から描こうという態度も、立派だと思います。ただ、やはり主人公にはもっと積極的に動いてほしかったです。悩み苦しみつつも、颯爽と乗り越えていく主人公を描ければ、結果的にメッセージをより多くの読者に届けられることになるのではないかと思います。

市山孝太

カリンとウー

2人の妖怪の追いかけっこで様々なトラブルが起こる。

元気があって気持ちのいい主人公です。ただ、それだけでは主人公の魅力にはなりません。元気がある主人公なら、世の中に星の数ほどいるわけで、そこに違いをつけるのが大事です。ストーリー的には追いかけっこをしているだけなので、話がどこに向かっているのか、何を期待して読めばいいのかがわからないのが残念。絵柄は丁寧で好感を持てますが、描線の太細の区別をつける等、技術の向上を求めます。

一誠

リップス

女の子のコンビ・リップスが捕らわれた姫を救う為にバトルを繰り広げる。

この作品の世界観が説明されず、また主人公のリップスが何者かも分からないまま話が進むので、誰にも感情移入することが出来ませんでした。さらに、途中から敵のボスのドラマにシフトし主人公の戦いがおざなりになってしまいました。最後はボスと捕らわれの姫の間で問題が解決し、主人公の存在が意味を失っているので爽快感もありませんでした。何がやりたいのかを明確にして見せてほしいと思いました。

五橋知方

HB!

ハンドボール部の少年が天才キーパーの兄を超えようと頑張る。

絵柄は安定していますし、形通りながらキャラクターも描けています。コツコツ努力する地味な主人公を描く場合、周りのキャラや状況を派手にしてあげないと、どうしても全体的に盛り上がりのない作品になってしまいます。また、ハンドボールという題材を選んだ理由が見えませんでした。このままサッカーに置き換えてもいいくらいに思えてしまいました。

五橋知方

regista

奨励賞

奨励賞

伊藤一天

TRIODE-三極星-

人間には無い卓越した能力を持つ主人公たちが、盗賊団から街を守る。

絵のレベルは高いものの、精密に描きこみすぎて、かえって読みにくくなってしまったという印象です。また、ストーリー展開に納得できないものがありました。主人公が熱い気持ちを見せて奮闘しているのに、依頼人が勝手に裏切ってしまうのでは、主人公も読者も興ざめになってしまうと思います。

伊藤裕香

カリスマ異星人山さん

世界征服をもくろむエイリアン・山さんらがたどり着いた星には「オンリー王(ワン)」を名乗る謎のダイヤモンドがいた。

単純な線で構成されているエイリアンのデザインには可能性を感じました。しかし、ギャグ漫画とはいえ、もう少し基礎的な画力がほしいです。ギャグ自体もいまひとつオリジナリティを感じられませんでした。

伊藤葉学

鬼邪の天

主人公は妖魔によって子供の姿に変えられてしまう。元の姿に戻る為に婚約者の力を借りて戦いを挑む。

子供の姿にされた主人公が頼る婚約者は、序盤でいかに有能な霊能者かということが語られ、その後の活躍を期待させます。しかし、中盤から以降は活躍の場がなく、結局主人公が一人で問題を解決してしまうので、婚約者が絡んだエピソードが意味をなくし肩透かしを食らったのが残念。作画に関して、人物と背景の描線が同じ太さで書かれていて画面が見づらかったり、バトルシーンの迫力不足など技術的に稚拙な面はありますが、好感の持てるキャラクターを描けているので、技術を向上させ再度チャレンジしてみてください。

岩中文

それゆけ!スクールデイズ

動物たちが通う学校でのドタバタコメディ。

まだまだ技術不足ではありますが絵柄はかわいく、好感が持てます。作者の中では、それぞれのキャラがどんな奴らなのかが出来上がっているんだと思いますが、それをはじめて読む人にわからせようとする工夫が足りないと思いました。例えばスズメのキャラはマイペースで抜けているのですが、その押し出しが弱いんです。「誰も見たこともないマイペースさ」をどう表現するか、そこにアイデアを絞ってみてください。

兎川涙香

HAPPY SNOW

占いにばかり頼る女の子と極度の寒がりの男の子とのラブストーリー。

占いに頼る女の子と極度の寒がりの男の子という組み合わせは興味深かったです。ただ、その面白いキャラクターが活かされておらず、ありがちなラブストーリーになってしまったのは残念。何がきっかけで別れてしまい、どうやって仲直りしたのかのエピソード作りが薄いので、この先ふたりがどうなるのかというドキドキするものがありませんでした。

兎川涙香

魔法のコトバ。

主人公は魔法使いの少女。自分のせいで友達が術者に腕を怪物の腕にされてしまった。友達を元に戻すため、術者と戦うファンタジー漫画。

ときどき目を引く絵があるものの、まだ絵のレベルが安定していないので全体的に稚拙な印象を受けました。ストーリーやキャラクターにしても、どこか既視感があり、読後に印象に残るものが少なかったです。強く印象に残るキャラクターや場面など、何でもいいので兎川さんしか描けないものを見せてください。

うさ吉

天使の恋

天界に帰らなくてはいけない天使の少年が恋をする。

恋愛モノで大事なのは、読者も一緒に恋をさせるように描く、というところです。少年は、少女のどこが好きになったのか。その気持ちやしぐさや見た目の魅力を読者に伝えることが大切です。そのためには、画力の向上が絶対に必要。今のままでは、男の子も女の子も同じ顔をしていますから。また、あなたは誰かに「俺は天使だ」と告げられたら、素直に受け入れられますか? そういう普通の気持ちをちゃんと描くことも大切です。

宇佐見陽造

草木に花を

試合する人数にも満たない女子サッカー部がついに廃部に。主人公は男子サッカー部に混じっての練習を続ける。

主人公の熱さを描こうとする姿勢はよかったですが、絵が追いついていません。オチもちょっとご都合主義的な感じがしました。キャラだけでなく、絵からも熱を感じさせるように努力してください。

宇佐見陽造

初夏

主人公の好きな女の子には角が生えている。彼は思いを伝えられないまま、彼女が別の男に告白したことを聞く。

抑え目の演出で、青春の一瞬を切り取ろうとする方向性は間違ってないと思いますが、読み手に伝わりきっていません。余白が多い絵柄は、逆に画力の足りなさを際立たせてしまっています。「角」の設定も効果的に活用できていませんでした。

宇佐見陽造

赤いマフラー

幼少時に右手を奪われた主人公。今は鉄の義手で人を殴って金を得ている。

独特の世界を作り出すことには成功しています。暗い話や、救いのない話が、作品として必ずしも駄目なわけではないですが、そこには明確な意図を持って描かれるべきだと思います。それを感じられなかったため、雰囲気先行の作品に見えてしまいます。

宇佐見陽造

Day's

たいしたことの起こらない日常をだらだらと生きる、何の自慢もない主人公が、変わろうと思った日。

淡々とした日常を淡々と描いても、面白いものは生まれにくいのではないでしょうか。読者に想像させて補ってもらおうという演出方法は、全否定されるべきものではないですが、とはいえもう少し読者へのサービス精神を持って描いてほしかったです。

宇佐見陽造

蹴猿

サッカーをやめてから退屈な日々を送っていた主人公が、友人に誘われフットサルの試合に出る。

5つの作品の中では、この作品が一番絵がよかったです。が、非常に散漫で冗長な描き方になってしまっていて、ストーリーに比してページが多くなりすぎています。試合に入るまでの話も、この程度のエピソードなら思い切って省略してよかったと思います。描きたいことの中心を絞って描きましょう。

氏沼隆人

マルカリ

力を失った魔王が、自分の心臓を取り戻そうと戦う。

コミカルな部分とシリアスにキメる部分のバランスは良いです。ただ、それを楽しむところまで読者を導くだけの画力がありません。主人公の魔王にいたっては、どこに目があるのかもよくわからない程です。アイデアを伝えるだけの画力を身につけて、もっと丁寧に描くようにしたほうがいいと思います。

詩岡来

恐怖!イカタクシー

アメリカを舞台に、謎のイカ軍団によって危機に陥る人々を描いたパニック物。

「アメリカのB級ホラーに影響を受けた」と但し書きしてありますが、そのままなぞってみただけとしか思えませんでした。ギャグとして描かれたのだと思いますが、そこに作者なりの解釈を加えたり、B級ホラーに欠かせない要素を皮肉ってみたりと、マンガとして面白く読んでもらうための工夫が必要だったのではないでしょうか。

内山良治

パニックエスパーミツオ

ピンチになると超能力が使える少年のコメディ。

絵柄は見やすく描きなれています。小さな絵まで気を抜かずに描き、もう少し個性が出るともっといいと思います。主人公のミツオ君ですが、タイトルにもなっているのにほとんど何もしないで話が終わってしまい非常に残念。もっとミツオくんのすごいピンチとすごい超能力を見たかったです。

内山良治

明るい世界つくりましょ!

交番勤務の佐土と福助のコンビが繰り出すシュールなギャグ。

「頭の中がヨーグルト」など、笑えるネタも十分にありました。ただ、ページが進むにしたがって、パワーダウンしていったように思います。ストーリーを進めようとすると(この作品で言えば女の人が捜査依頼に来た頃から)、ギャグのキレが落ちていった印象があります。話をまとめようとし過ぎない方がよかったかもしれません。

有働大祐

忍者先生冴子

新たに担任となった先生が、実は抜け忍だった。

新しく担任になった先生が忍者だった、という時点で物語が終わってしまい、「もう終わりなの?」と拍子抜けしてしまいました。この後が読みたかったのに非常に残念。もっとキャラクターを掘り下げていかなければ、笑いどころも定まらず、この後どうなるのかという期待感も芽生えません。そのキャラの一番良いところを見せてほしいと思います。

宇野影宏

星に願えば

星を見ることが一番好きな女の子の一夜。

非常に雰囲気を持っている方だと思いますが、キャラクターを求められる少年誌としては、いささか物足りない印象です。主人公の女の子がどんな子だったかが、読んだ後に残りません。事件らしい事件も起こらないので、何を楽しんで良いのかわかりにくい作品でした。画力はありますが、やや古さを感じますし、この雰囲気を大事にするのであれば、大人向けの雑誌を目指したほうがいいと思います。

A926

BREAKERS AHEAD!

バイクレーサーが夢の主人公が、転校先の高校で、「最強人間プロデューサー」を名乗る女の子に出会う。

「最強人間プロデューサー」という設定は興味深かったですが、彼女が最後までただワガママな嫌な女にしか見えませんでした。最大の見せ場であるべきバトルシーンも、絵が止まっているように見えます。まずはどんどん描いて経験をつんでください。

A926

空も飛べる

陸上部の部員不足に苦しむ主人公が、俊足のヒロインを勧誘しようと勝負を挑む。

作者がこのマンガで何を描きたかったのか、読めば読むほど混乱してわからなくなってしまいました。主人公が陸上部の部員勧誘のために頑張る姿なのか、狐の神様から力を得た不思議な少女と主人公との交流なのか。物語の構成を整理するなど、どうすれば読者を置き去りにせず、わかりやすく読んでもらえるかに気を配ってください。

A-357246

カッパ#ハンター

オオガッパという害獣をハントし、賞金を稼ぐ少年少女の話。

オオガッパを捕まえる仕掛けや地球環境への危惧、少年少女の思春期のドラマ等、たくさんの要素が入ってはいるのですが、それぞれの内容が均等に薄い為、結局何が言いたかったのかが伝わりづらい作品になってしまいました。ラストで反目しあっていた少年と少女が協力して凶暴なオオガッパを倒す場面も、物語の締めがとってつけたような地球環境への問題提起で終わっているので爽快感がなくなっています。

榎戸左久良

しり!

不相応な名前に思い悩む少年が、恥ずかしい苗字を苦にしない一家に振り回されるギャグ。

単に変な名前や名字というだけでは、笑ってもらうのに不十分だと思います。物語が主人公・早見と尻一家だけの閉じた世界で進んでいくため、特に強く感じました。クラスメイトからどのように扱われているのか、主人公たちがこの不幸な境遇をどう感じているのか。周囲とのギャップを丁寧に描くことで、より笑えるギャグになるのではないでしょうか。

エレキ

戦え!何を?人生を!!

化物すらも倒す強力な力を宿した家宝の杖。しかし、その力を使うには危険な代償があった……。

10ページほどのギャグ漫画ですが、入っているネタが少ないのが残念。さんざんページを使って引っ張ってきた「危険な代償」が「男が魔法少女になること」だけでは弱いと思います。もっと早い段階で魔法少女に変身し、男でありながら魔法少女の格好で戦う主人公でもっとネタを作ってほしかったです。線がきれいですっきりとした絵柄は好印象なので、次回作を期待したいです。

大石寿美

WASHA

精霊退治を生業とする主人公が、訪れた村を救うための戦いに挑む。

敵対する精霊を倒すのではなく、対話によって問題を解決するという主人公の設定は興味深かったです。ただ、肝心の交渉シーンにおける会話の駆け引きや心理描写が薄味で、緊迫感が全く感じられませんでした。バトルで激しい動きをするわけではない分、物語が平坦にならないよう工夫すべきではなかったでしょうか。

大内冬樹

あぐり

「忌み名」というもう一つの名前を持つ一族の末裔である双子の少年少女が、自分たちを追ってきた妖怪を倒すバトルもの。

その名前を呼ぶことで、秘められた力が解放されるという「忌み名」の設定が独創的で、興味を引かれました。絵のレベルも高いと思います。ただ、各キャラクターが織り成すドラマやバトルが平熱で進んでいくという印象が強く、イマイチ盛り上がって読めなかったのが残念です。主人公たちが出会う少女・由香に「助けたい!」と思わせる強烈な理由づけが足りなかったこと、物語の肝である「忌み名」の詳細などが回想シーンに集中して描かれてしまったことなどが、その一因ではないでしょうか。また、バトルシーンについても、もっと躍動感を感じられるように描いてほしかったところです。

大門篤志

パシャっと!!

幽霊?の写楽が、不思議なカメラを使って悪霊を退治していく。

ヒロイン・かのんが美味しいところをすべて持っていってしまうため、主人公の影が薄くなってしまったと思います。せっかく個性的な容姿と能力の持ち主なのだから、もっと彼ならではのカッコ良さを土台にしてストーリーやバトルを構成してほしかったところです。

大木あい

蛇心

龍になりたい蛇が旅に出る。

昔話のような物語ですが、やはりそこに独自の味付けがほしいです。主人公を蛇にしたのですから、その蛇を読者が面白がり、応援したくなるような見せ方が必要です。また、一瞬ではありますが、とても簡単に龍になってしまったので拍子抜けしました。龍になるために、どんな試練が待っているんだろうと思って読んでいたので残念でした。

大塩七華

チェンジ・ザ・フェイス!

ある日突然、顔がシンプルになってしまった主人公。原因はチェンジ・ザ・フェイスという飲み物にあった。

丸に目と口だけというシンプルな顔になった主人公は面白い。しかし、そのシンプルな顔を使ったネタが出てこなかったのが残念。せっかく面白い材料があるのだから、それを最大限利用して笑わせて欲しいです。全体的にかわいらしいくほのぼのとした雰囲気で好感は持てるのですが、あまりにも児童少女誌の色が強く、男の子は読みづらいかもしれません。

大滝次郎

田嶋家のねーちゃんとオレ

ちょっと変わった姉との暮らしを描いた4コマ。

お姉さんの天然ボケ具合が弱いので、魅力あるキャラクターになりきれなかったと感じました。現実にいそうなくらいのレベルではなく、漫画の世界ならではの誇張した表現があるといいと思います。少年誌を目指すなら、なおさらキャラのインパクトは必要です。

オオタワビンソン

MUCHO POLFABALL

妹の死をきっかけに堕落してしまった主人公が、妹とそっくりのヒロインに影響を受けて復活する。

堕落した主人公の描き方にデフォルメが強すぎて、主人公としてのカッコ良さが激減してしまったのは物足りなかったです。ヒロインが、いかにかつての主人公に憧れていたのか。彼がその想いに応えて復活する姿、その気持ちをもっと熱く描いてもらわないと、読者としても盛り上がることができないのではないでしょうか。

オオタワビンソン

留学王子ジェームズ!!

日本に留学してきた、過剰に思えるほど親日家な王子のドタバタギャグ。

もう一つの作品と同じく、キャラクターのデフォルメが強すぎるところで損をしていると思います。特にこのマンガでは、全体の印象を幼く感じさせてしまっています。王子の親日家ぶりにも意外性がなく、ギャグとして笑えるところが少なかったです。

王壺じゆうじん

極小癒し猫観察日記

小指ほどの大きさの猫たちの日常4コマ。

パソコンで画像を加工した作品なのですが、ある程度リアルなことが逆効果なのか、猫があまりかわいくありませんでした。編集部にも猫好きは多かったのですが…。肝心のネタが、この猫たちを「かわいい」と思うことが前提として描かれている方向のもの(猫の習性など)なので、ほとんどピンときませんでした。

大村友紀

S-1

天国で人気のテレビ番組「S〜1グランプリ」は、地上の男女が織り成す恋愛ドラマを、格闘技として楽しむものだった。

設定自体はシニカルで面白かったです。ただ、もっとそれを活かしてほしかったです。現状では、天国はただ人間界の実況席としてしか機能していません。もう少し天使がドラマにコミットしていけるような仕組みがあるとよかったのでは。人物の絵にセンスを感じますが、全体的に画力は発展途上。

大村和希

土俵王子

力士を父に持つオタクな少年が、自らも力士になって地球を救う(?)話。

キャラクター、ストーリーと何もかもが迷走していて、作者がこのマンガで何を描きたかったのか、最後までわからないまま読み終わってしまいました。描き始める際に、何を表現したいのか整理しておく必要があると思います。

岡井航

INHERITED HEAVEN

戦争が起こっている国(?)で、いじめられっ子の主人公が姉を助ける為にがんばるファンタジー漫画。

「主人公を取り巻く状況がどうなっているのか」「なぜ主人公は姉を守りたいのか」がまったくわからないので、漫画の内容が理解しづらかったです。また、突然「神」などの観念的なものが出てくるので、全体的にとっちらかった印象を受けました。自分の頭の中には設定があるのでしょうが、それを読み手がわかるように描かないと、せっかく面白いことを考えていても伝わりません。漫画を描く前に読者に何を読んでもらいたいのかをよく考えてほしいです。

岡田哲

影を追い駆けて

カーレース中の事故で父を亡くした主人公。今は運送屋で働いているが、ひょんなことからレースに参戦することに。

ていねいに描きこまれた背景や、人物の表情の描き方には、一定の力を感じました。まず一番気になったのが、車のデザイン。カーレースものなのに、主人公のマシンがあまりカッコよく見えませんでした。人物の顔のアップばかりで話が進んでいく画面構成も気になります。

岡野真

Humming Bird

8年前、黒皮病という難病にかかった主人公。病気が直るきっかけを作ってくれた仲間を廃屋で待っていたのだが……。

人が忌み嫌う難病にかかった主人公を、たったひとり差別することなく接してくれた男。その男を病気が治った主人公が思い出の場所で待つのですが、結局男は主人公を助ける代わりに死んでしまっていたという悲しい結末は感動的。しかし、難病である「黒皮病」というのがどんなに恐ろしい病気かという説明がなかったので、主人公に接する男のすごさがいまいち伝わりづらかったです。シャープな印象の絵はいいのですが、熱のこもったコマがあると、より人物の感情が伝わったと思います。

オカモト

フィールド

サッカーが下手な主人公が、事故で死んでしまい、地獄の鬼たちにサッカーのコーチとして招かれる。

人間界でサッカーは下手だが目立ちたがりの主人公が、天界と地獄とのサッカー対決で勝つために、地獄の鬼たちにコーチするという発想は面白く、会話にもセンスを感じます。ただ、主人公が何を問題にしていて、どうやってそれが解消されたのかが分らないため、結局何を見せたかったのかが分らない作品になってしまったのが残念。コメディの部分は面白かったので、無理やり感動的な話にもっていかなくても良かったかもしれません。

オカモト

OZMA

いろいろな形の生き物が住む「うんこりん星」。しかし、移住してきた人間が星の環境を荒らしてしまった。そんな状況に主人公のオズマは……。

いろいろなキャラクターが出てきて、楽しい雰囲気を持っているコメディです。ただ、主人公のオズマのキャラクターが曖昧で、よく分からない作品になってしまいました。オズマはどんなキャラクターなのか、環境を荒らす人間にどんな感情を持っているのかなどをしっかりと考えてあげる必要があったと思います。作品を作る前に、もう少しキャラクターの掘り下げをするといいかもしれません。

岡山昌史

夢喰い

夢を食わす主人公と夢を喰う剣のコンビが、自分の夢をかなえるためにナイトメアという怪物を倒す。

まだまだ稚拙ですが、漫画を初めて描いて5ヶ月でここまで仕上げた頑張りは立派です。設定自体は面白いですが、説明を全部だらだらとセリフやナレーションで済ましても読者は読んでくれません。漫画の中で自然に読者にわからせる工夫を考えましょう。また、ナイトメアを1000体倒さないと夢は叶わないはずなのに、ピンチで叫んだだけで夢が叶ってしまうのはおかしいです。「竜になる」という彼らの夢も、唐突過ぎて「なぜ?」と思ってしまいました。

岡山昌史

メタルイータ

機械に支配された国で、生身で機械と戦う主人公が、捕らわれた少女を助ける話。

最初の2ページで延々この作品世界について説明してあるのですが、序盤でこんなに設定を読まされるのはなかなか厳しいです。複雑な設定でも、読者が興味を持って読んでいける工夫が必要です。魅力的なキャラクターを最初に出して興味を引いたり、面白いエピソードを作ったりして読者を作品に引き込みましょう。

小川単芝→

HANDS

触れると人を殺してしまう女の子が能力を封印しようと謎に挑む。

不幸な女の子の心情を追おうとしている姿勢は良いです。それ以外が設定を読まされている感じになりすぎたので、世界に入り込めませんでした。キャラクターを通して世界を説明する心がけを。また濃い目のトーンを多量に使用したシーンが多く、そこにペンでの細かいタッチも重なって見難い絵になりました。表現の幅を広げる努力を。

小川単芝→

REAL HAPPINESS

珍しいものを欲する王に妹を捕らわれた主人公は、妹と引き換えに森の守護神を王に渡そうとするが……。

独特な世界観を持ち話を描こうとするものの、観念的なものばかりでは読み手に伝わりません。「なぜ主人公はそう考えたのか」「なぜ敵はそのように思ったか」をしっかりとエピソードとして描いてほしかったです。作画では、人体のデッサンがとれていないのに描き込んであるので絵がイビツに見えてしまいます。所々目を引く絵を描けているので、それが全体に及ぶようにがんばってほしいと思います。

小川単芝→

命賭不屈

ウィングという寄生虫に寄生され強化された人間・エンジェルを狩る男の話。

寄生虫に寄生されて強化される人間や、それを狩る男の能力など、独特の世界観は面白いです。前作に比べて絵は改善されているし、ストーリーもよく練られており、最後まで一気に読めました。しかし、キャラクターの表情が乏しく、全体的に乾いたトーンで描かれているので、少年誌にしては暗すぎます。少年たちが読んでワクワクする部分や笑える部分があってもよかったのではないでしょうか。

越智重安

完全殺人の夜

離婚直前の夫が、妻と娘を目の前にして、過去のある夜を思い出す。期せずして完全犯罪に成功した夜を。

独自のコマ割りや、間の取り方には工夫を感じますが、「完全殺人」とタイトルに銘打って読者に期待を抱かせたなら、もう少し期待にこたえるネタを提供してほしかったです。入れ子構造になった物語の外側部分(離婚話)の必要性にも疑問を感じます。

鬼塚将太

龍閃

退魔の力を持つ姫が戦う和風ファンタジー。

背景の絵を手抜きせずしっかり描こうとしていたり、バトルを盛り上げようとしている姿勢がまずいいです。主人公の阿弥姫のキャラは、始めはドジな感じだったのに、その跡はずっとかっこよくバトルをするだけになってしまいました。何を考えていて、何をしたいのか、よくわからない人がバトルを長々としてても気持ちよくないんです。絵柄については、背景や人物の主線、効果線などの、線の太さや強弱の描き分けをすると良くなると思います。

講評はペンネームを50音順にして掲載しています。
※応募規定を満たしていなかった作品については、選考の対象外といたしました。そのため、講評などもしておりません。