最終結果発表
「第2回少年ライバルコミック大賞」の最終結果、および各作品への森川ジョージ先生、真島ヒロ先生、編集部のコメントを発表します。なんと今回も318作品もの応募があり、熱戦となった今回の少年ライバルコミック大賞。選考を勝ち抜き、計28作品が、めでたく賞に選ばれました。

既に、大賞受賞作「サンライト・モーニング」(小林真土)が月刊少年ライバル11月号に掲載され、さらに小林さんは、来春からの連載も決定しました。ほかにも準大賞受賞作「天才!?薬剤師☆Dr.J☆」(鍵原キョウと、入選受賞者・笠木遊海さんの「宿題コナース 直子」が12月号に掲載されます。もうひとりの準大賞受賞者、TATSUBONさんの新作も、1月号以降に掲載予定など、受賞作や受賞者の新作を、続々掲載していく予定です。

惜しくも受賞には至らなかった作品の中にも、優れた作品はたくさんありました。全作品の講評も、同時にこちらにて掲載しています。講評を参考に、より面白い作品を描きあげて、もう一度賞にチャレンジしてみてください。第3回の「コミック大賞」の締め切りは、2009年の3月末日。また、同時に「少年ライバル月例コミック新人賞」も、毎月実施中です。ライバル編集部は新しい才能を、常にお待ちしています。
森川先生総評 何でもアリのストーリーが多いように思いました。魔法、神などが何の制約も無く登場する。緊張感が無くなり、物語をすべてにおいて軽くしています。また、魂をもっとこめて原稿を描いてほしいと思います。自分の人生を変えるかもしれない原稿なのだから! 文句が多めになってしまいましたが、真剣に読んだ結果なので勘弁してください。
真島先生総評 少年誌をきちんと意識した、ストレートな作品が多かったのは、好印象でした。ただ応募作品のジャンルの偏りは気になりました。ファンタジーやバトルだけが少年漫画ではありません。もう少し多様なジャンルを読みたかったと思います。構成力や画力不足の作品も、多く目に付きました。個人的に好きな作品も多かったので、みなさんがんばってください!
大賞『サンライト モーニング / 小林真土』大賞『サンライト モーニング / 小林真土』
【あらすじ】
太陽が消えた世界。人々は人工の光と熱に頼り暮らしていた。そんな貴重な光を「盗み食い」するやんちゃな少年・ピガ。彼は光を食料にする「ヒカリ族」の末裔だった。ただのいたずら者と思われていたピガだったが……。
【講評】
森川先生コメント レベルが高い。明るくて気持ちのよい話だ。少年誌らしい素直でまっすぐなストーリーがいい。ただ欲を言えば、まっすぐな中にも、もう一ひねりが利いていると、さらによかった。命を懸けてまで太陽を作ろうとする主人公の、切実な思いがもっと深く描けていれば、主人公の明るい性格がより活きたのではないか。
真島先生コメント 面白かったです。素直に感動しました。主人公のキャラ、造形、設定どれをとっても素晴らしいと思いました。テンポもいい。強いて言うなら、敵のキャラクターの個性が、物足りなかったと思います。しかし全体に完成度が非常に高い作品。特にラストは、オチがわかっていても、震えが来ました。
編集部コメント とにかく主人公のキャラクターが気持ちいい、読後感が気持ちいいと審査員一同好評価! もちろん課題もありますが、絵、ストーリー共にレベルが非常に高く、今後がとても楽しみな才能です。まさにライバルの未来を担う人! さらなる飛躍を目指して頑張ってください!
準大賞『天才!?薬剤師☆Dr.J☆/鍵原キョウ』準大賞『天才!?薬剤師☆Dr.J☆/鍵原キョウ』
【あらすじ】
高2の少年・兼定は、クラスの人気者・あや子に夢中。問題はあや子は自分より背が低い男に興味が無い、ということ。何とか背を伸ばそうと、兼定はどんな問題も薬の力で解決するという薬剤師Dr.Jの店を訪ねるが……。
【講評】
森川先生コメント 絵が上手で、女の子もかわいい。面白く読んだ。ただ全体的に登場人物の紹介に終始してしまい、ストーリー性が薄いのは気になった。せめて主人公の告白がうまくいく、などの、何らかの達成感がほしかった。またせっかくのDr.Jのキャラがあまり立っていないのも惜しい。
真島先生コメント キャラ立てと会話の遊びがとても上手。ストーリーも小ネタの連続だが、それぞれに意外性やインパクトがあってよかったです。ヒロインの髪飾りがコマごとに表情を変えるところなど、細かい部分も面白い。テンポもよかったです。難を言うなら、もう少し絵に密度がほしかった。ぜひ連載で読んでみたい!
編集部コメント 軽快な読み味と、かわいらしい女の子を評価。特にヒロインの女の子はとてもかわいい!読む人を選ばない作品のテンポの良さは、作者の天性のものなのでしょう。ただDr.Jに関してはもう一工夫ほしい。彼女なりの信念や、理想などが、垣間見えるとよかったのでは?
準大賞『ユータとリトル/TATSUBON』準大賞『ユータとリトル/TATSUBON』
【あらすじ】
人々を脅かす凶暴な怪物「鉱殻獣」と戦うことを許された屈強の戦士「ロックヘッド」。若きロックヘッドの少年・ユータとリトルは、旅の途中立ち寄った街で、街をボロボロにして暴れまわる恐ろしい鉱殻獣に立ち向かう!!
【講評】
森川先生コメント 画力は非常に高い。もっとうまくなる人だ。いい絵でいいシーンを見せている部分がある一方で、見せ場ではないところには雑さもあった。世界観や設定の独自性が、より感じられるとさらによかったのではないか。オチャラケた表現が多いため、「死」に対する重みがないのも惜しい。
真島先生コメント 絵、構図がすごく高いレベルで、特に見せ場をいかにカッコよく見せようかと工夫している点は、好感がもてます。後半のクライマックスも、アクション映画のようで楽しめました。ストーリー展開がオーソドックスすぎるところは、少し残念。ネームのキレがよくないところが目立ったのはもったいない!
編集部コメント アクションシーンの迫力は圧倒的。決めの場面での、キャラクターの表情も素晴らしい。その一方で、日常部分は少し雑なつくりで、キャラクターづけも弱い部分アリです。戦いを引き立てるためにも、そうした部分も大事にしてほしいです。敵モンスターのデザインは、威圧感があり、かっこいい!
入選
鶏天狗 / 各務浩章
鶏天狗 / 各務浩章
国を追われたカラス天狗・テン。落ちのびてきた人間界でテンは、少女・たまごにより、ニワトリの体にその魂を押し込められてしまい……。
【講評】
森川先生コメント 導入から面白かった。主人公が人間界に来て、たまごに魂を入れなおされて鶏になった時は驚いた。発想もすごい。最後まで面白く読めた。何よりたまごというキャラがよく、だからこそ周りも活きた。もっと画力があれば、雑誌に掲載されても支持を得られそう。画力を磨いていってほしい。
真島先生コメント 主人公や武器などの造形は面白いし、ストレートなテーマもいいと思います。しかし、主人公の目的、敵の目的、そもそも天狗とは何か、などなど、設定が分かりづらいところがありました。それが原因で、バトルをする理由がわかりにくくなってしまっているのが、残念です。
編集部コメント いい感じにアツい展開と、緻密な絵が魅力。ギャグタッチのシーンも楽しめる。ただその展開の緩急のつけ方が忙しく、盛り上がりを阻害しているのは惜しい! ストレートに描けば、もっともっとカッコいい漫画を描ける才能があると思います。次が楽しみになる作品。
とり頭がやって来た! / 笠木遊海
とり頭がやって来た! / 笠木遊海
姉妹作を12月号に掲載!!
ひきこもりの少年・光の母が、突然再婚した。相手はなんと、頭が鳥の鳥人間!頭以外もいろいろとトリな義父に、光は振り回される!
【講評】
森川先生コメント 絵もうまく、読ませ方もうまいと思う。ただ、少年向け漫画として考えると、少し残酷な表現が多かったのは気になる。個人的には同じ作者による『秘密結社 〜軟体〜』が面白かった。
真島先生コメント 1ページ目がとてもよくできている! 楽しめました。ギャグはもう少しバラエティがあるほうが良いと思います。コマ割りやページ構成を工夫して(オチで大きいコマを使うなど)、読者にページをめくらせるよう努力してみてはどうでしょうか。
編集部コメント 不思議な鳥キャラによる独特の動物ギャグが、とにかく笑える。奇抜な発想の数々は、この作者からしか生み出されないもの。同じ作者からは、合計5作が応募されており、どれも受賞作に劣らぬ良作、と安定した実力もアリ。人物の表情に幅があればさらによくなる!
只今予言実行中 / 片桐了
只今予言実行中 / 片桐了
予言がまったく当たらない予言者・ラトフは、恋愛相談にやってきた少女・直に「君はオレのコトが好きになる」と予言してしまうが……。
【講評】
森川先生コメント 次々と襲いかかる災難がスピーディーで楽しくページをめくれた。全体的に面白く読めた。ただ、当たらない占い師のはずなのに、次々と客が来る、という導入部分は少しひっかかった。主人公がまともすぎるのは残念。もっと個性を強くしたほうがよいだろう。
真島先生コメント 先が気になる冒頭のシーンはとてもよかったです。ただ強引で唐突な展開、説明不足気味の設定とキャラなど、中途半端なところが多かったのは気になります。クライマックスも少し分かりにくかった。最後は、主人公本人の力で何とかしてほしかったです。
編集部コメント テンポよくよめるわかりやすさが魅力。どんどんページをめくらせる力は素晴らしい。このセンスは他人が教えられるものではありません。面白い漫画を作ってやる、という野心に満ち溢れているのもマル。課題点としてはまず画力! 今後の努力が必要でしょう。
マジックタートル / 友寄匡
マジックタートル / 友寄匡
盗賊の少年・クロは、伝説の魔法使い・ラグナが封じられた箱を偶然開けてしまう。ラグナはなんと、カメの姿に封じられていた。
【講評】
森川先生コメント 楽しく読めた。いいものはある! ラストに、仇討ち、ラグナが実は女だった、ラグナの封印が解けた、などなどいくつかの事件が重なって起こるため、何が一番大事なのか分かりにくくなっているのは残念。もっとページを少なくして、1点に絞った描き方をしてほしかった。
真島先生コメント よくできた話。特にクライマックスは意外性の連続で面白かったです。あとは画力の向上、それに説明や会話劇をどう上手にまとめるかが課題でしょう。後半がいいだけに、前半の退屈さが、もったいない。もっと短くできるのではないでしょうか?
編集部コメント 説明が長い、設定が詰め込まれすぎている、などなど、確かに課題も多い。しかしそれでも読ませる力、キャラクターの独特の魅力などに、作家の天性の才能が感じられました。特に最後に出てくる女性キャラクターは秀逸。もっと彼女を見てみたかったです。
鬼ですよいえいえ翔ですよ / 保志レンジ
鬼ですよいえいえ翔ですよ / 保志レンジ
少年・翔の前に突然現れた鬼の少女・夜叉姫。前世から翔と結ばれていた、と主張する彼女の出現により、翔の人生はメチャクチャに!
【講評】
森川先生コメント とにかく絵が上手。女の子もかわいくてよし! 少しエッチなところもよし! もっとエッチに描いてよし! ただし、ストーリーは何度も読んだことがある気がする。もっとひねりがほしかった。サブヒロインの女の子もかわいいので、もっと活かせているとよかった。
真島先生コメント 読者を意識したサービスカットがたくさんあって、本に載っていたら間違いなく目に留まる漫画だと思いました。キャラや小ネタも楽しくて、安定感のある作品です。絵は本当に上手です! 次はもっと独自性のある話を目指してください。
編集部コメント 絵が抜群に上手! 基本的な点をしっかり押さえた作品です。女の子たちだけでなく、その他のキャラクターも含めて、それぞれのキャラクターがとてもよく描けているのも好印象。ただ、ストーリーには難あり。もっときちんと話を組み立てていってほしかったです。
佳作
ARES / 蒼乃ゴトシ
ARES / 蒼乃ゴトシ
うまく力を使えず、悪霊から生まれる敵・カオスと満足に戦えない戦士・アレスは、敵の罠にはまり、仲間とともに上級カオス・コーン様とのバトルに挑むことに……。
【講評】
森川先生コメント 導入の赤ん坊のビジュアルには、ドキッとさせられた。物語について言うと、もっと葛藤や、友情など、人間にスポットを当ててほしかった。より重厚に描かれた人物や、ビジュアルも見たかった。
真島先生コメント 独自の世界観やデザインは面白い。コマ割りや構図も凝っていていいと思いました。ただ、ラストバトルへの持っていきかたは、多少強引。主人公が自ら動いてバトルに行くようにすると、さらに熱かったのではないでしょうか。
編集部コメント おっ、と思わせるオープニングが秀逸です。敵キャラクター・コーン様の強烈な個性が、印象に残るこの作品。敵に比べ、主人公の個性が弱いのが残念です。こんどはもっと魅力的な、「主人公」を生み出してほしいです。
GREEN BOYS / 川端浩平
GREEN BOYS / 川端浩平
緑川高校一の問題児、グリーンボーイズたちは、学校は楽しむところだ、と授業も出ずに好き放題していたのだが……。
【講評】
森川先生コメント 主人公3人組のポリシーがよくわからなかった。この作品は、そこをしっかり描くのが一番大事。なぜ喧嘩を避けるのか、なぜ学校の問題児とされているのか、もっとそこを読みたかった。
真島先生コメント 楽しく読めました。学生の雰囲気、楽しさがあってよかった。ただ、読み筋がよくわかりませんでした。3人の主人公のうち、誰かひとりにスポットを当てたほうがいい、とも感じました。そして画力。もっともっと練習した方がよいです。
編集部コメント 主人公3人組の行動や主張に、素直に共感できるので、とてもさわやかに読むことができます。3人組がもっとそれぞれ個性的であれば、なおよかった。最大の課題点は、やはり画力。さらなる努力が必要でしょう。
りん -the phantom-vanisher- / 小菊路よう
りん -the phantom-vanisher- / 小菊路よう
時は江戸時代。スリのタイゾウは、刀を持った少女・りんと出会う。彼女の正体は、盗賊狩りとして恐れられる「陽炎」だった。
【講評】
森川先生コメント 盗賊のボスに、個性があり良かった。ただ逆を言えば、主人公ふたりのキャラがはっきりしていなかったということ。ふたりとも場面によって性格が変わるところがあり、そのせいで物語がぼやけてしまっている。本当はもっと重いテーマのはずなので、シリアスに徹底してほしかった。
真島先生コメント 絵、とくにキャラクターの表情が良かったです。男主人公の妹の笑顔は、特に良かった。ストーリーには、多少都合のよさが目立ちました。クライマックスも少しヒネリが足りない。そして見せゴマは、やはり大きいコマを使ってほしかったです。
編集部コメント 独特の雰囲気がある作品です。主人公が誰なのかわかりにくいなど課題もありますが、きちんと爽快感があり、しかもちゃんと読ませる力はすごい。ドラマとギャグの、メリハリをつけると、もっと面白くなると思います。
ザ・ワールド / 左藤圭右
ザ・ワールド / 左藤圭右
旅する少女・キャロルは、訪れた街で、持っていた虫の力を秘めた不思議な玉「蟲玉」を巡る騒動に巻き込まれていく。
【講評】
森川先生コメント 虫のビジュアルはいい。その部分をもっと見せてほしかった。主人公がよく定まっていないことは残念。コマが小さいのも読みづらい。見せるべきコマは大きく、伝えたいものは強く描いてほしい。
真島先生コメント 設定や、主人公のキャラはいいと思いました。ただ、全体的に「今何が起こっているのか」がわかりづらかったと思います。キャラも多い気がします。画力が描きたいものに、ついていっていない印象。練習あるのみです。
編集部コメント 作品にただよう素直で面白そうな雰囲気が、まず優れています。漫画として、このワクワク感はとても大切です。一方、長く未整理なストーリー展開には難アリ。もっと凝縮すれば、より爽快な作品になったのでは。
リボンファイターハヤブサ / 佐藤優一
リボンファイターハヤブサ / 佐藤優一
なぜか武器がリボンのヒーロー・ハヤブサは、もっとかっこいい武器を作ってもらおうと、リボンの開発者・Dr.オッドのもとを訪れる。
【講評】
森川先生コメント 博士の表情がよかった。もっと勢いや力技で押してもよかったかもしれない。全体的に弱いと感じた。ギャグ漫画なのに、あまり笑えなかったのは残念だ。
真島先生コメント なかなか面白かったです。ただ、画力とコマわりの勉強は必要だと思いました。不条理なギャグは、個人的には好きですが、万人受けするかは疑問です。
編集部コメント まず笑えました。細かいネタが面白く、何度もクスッとくる瞬間がありました。しかし、1ページあたりのネタが少なめなのは、気になります。もっと詰め込んでいいはず。画力を高め、より笑える作品を目指してください。
食べるということ / 寺田晃輔
食べるということ / 寺田晃輔
家業が酪農である影響で肉が嫌いな少年・育人は学校で、人間の姿をした高級和牛・モーコと出会う。彼女は肉質を高めるため人間と同じ生活を送っているのだが……。
【講評】
森川先生コメント かなりの変化球で、見極めるのが大変だった。割と好きな作品。オリジナリティーは高いと思う。女の子のキャラもかわいい。しかし、主人公は、気持ちのふり幅が小さすぎて感情移入しにくい。ラストも、手紙を読んだ後の主人公の行動を一番見たかった。
真島先生コメント 女の子がとてもかわいくて、どうなってしまうのかドキドキして読めました。ラスト、カニバリズム的設定は、読者を引かせてしまうかもしれません。人と牛の価値観の違いを、もっと上手く表現してほしかったです。
編集部コメント 人物の表情や心の動きがとても魅力的に描かれています。「生きるためには、生命を食べなければならない」という大きな主題に、逃げずに挑戦した点は評価できますが、主題の大きさを消化しきれていないのが惜しい!
万能科学技術アイン / 東山拓
万能科学技術アイン / 東山拓
城東署の万能科学課に配属されてきた、若き天才・アイン。彼は、その知能と知識で、事件を解決へと導いていく。
【講評】
森川先生コメント 万能という言葉を使った以上、何でもアリはよくない。制約が多い世界を描いてこそ、「万能」が活きるのだということを踏まえてもらいたい。ギャグっぽい絵も必要ない。それだけで何でもアリに思えてしまう。もっとシリアスに描いてほしい。
真島先生コメント クライマックスのアイデアは非常に良かったです。残念だったのは構成力と主人公のキャラ。敵の黒幕が、あっさり正体を自分からバラすのは唐突過ぎます。主人公に正体は暴いてほしかったです。
編集部コメント いいネタ、いい山場が描けており、作品にアイデアが詰まっているので、まったく退屈させません。難点は、読みにくさと、主人公のビジュアル。個性はありますが、もう少し魅力的な外見でもよいのではないでしょうか。
拘束王 / 宮野彰
拘束王 / 宮野彰彰
なぜかその身を拘束された王・キングと、その従者・ビンゴが訪れた国では、国王ジュールが超古代兵器の力を背景に、圧制を敷いていた。
【講評】
森川先生コメント 一点突破のストーリーが読みやすい。最後に出てくる人形もかっこいい。ただ、王が自力で外せる拘束具で拘束されているのは、いかがなものかと。王がいい人で「罪人」という気があまりしなかったのも残念。
真島先生コメント 画力はあると思います。特に、背景や兵器が上手。拘束された主人公を見ると、読者はみな、それが外れることを予想すると思います。なので、ラストにただ拘束が外れるだけでなく、もうひとつ驚きがあったらよかったと思いました。
編集部コメント 「拘束された王」のビジュアルは、目を引きます。掴みは完璧です。見開きの絵も、インパクトアリ。迫力とかっこよさがあります。ラストのバトルに、もう1歩のアイデアと意外性があれば、さらによくなったと思います。
奨励賞
シューティングスター / 中クラウディオ
シューティングスター / 中クラウディオ
いじめられっ子の少年・つよじはある日突然、宇宙からの侵略者に身体をのっとられてしまう。つよじの身体で宇宙人は地球征服に乗り出すが…。
【講評】
どのキャラクターもコミカルで、にくめないところがあり、楽しく話がすすんでいくのはマルです。ただストーリーに一本芯が通っていないため、非常に読みにくくなってしまっています。誰が主人公なのかをはっきりさせると、さらによくなるのではないでしょうか。
植物応援歌 / えこ
植物応援歌 / えこ
環境破壊によって植物が育たない街で、機械人形・ドールの天才科学者・ハハキは、何とか街に植物をとりもどそうとするが…。
【講評】
独特の世界観が面白い作品です。ただせっかくの面白い設定を、消化しきれていない印象もあります。個々の現象や事件同士のつながりを明確にすると読みやすくなると思います。また、環境問題については、善悪を単純に割り切ると、道徳の教科書のようになってしまうので、注意してください。
人質 OF THE メロス / 片陸遼助
人質 OF THE メロス / 片陸遼助
泥酔し、勢いで国王を殴ってしまったメロスは、王に死刑を宣告されてしまう。あの手この手でメロスは死刑を回避しようと頑張るが……。
【講評】
笑えました。独特のゆるさと不条理さがあります。しかし、笑いの種類がほとんど言葉によるものだったのは、気になりました。漫画なのですから絵で笑わせる部分がもっとあって良かったのではないでしょうか。そのほうが、多くの人の支持を得られると思います。
ハンマーノック / 上遠野洋一
ハンマーノック / 上遠野洋一
総合格闘技世界一を目指す少年・辰馬と光章は、学校で自由に練習する権利をかけて、元柔道家の校長との試合に挑む。
【講評】
勢いがあり、バトルや格闘描写も見ごたえがあります。あとはキャラクターでしょう。何故、主人公は強くなりたいのか。主人公の強みは何なのか。或いは対戦する校長の信念は何か。そこをきちんと描かないと「強ければ何やってもいい」というだけの漫画に見えてしまいます。そこをクリアした次回作に期待します。
カッスマ!!SH / 如月れんと
カッスマ!!SH / 如月れんと
ドイツへの卓球留学から久々に帰国した高校生・華川は、母校の弱小卓球部の存続をかけて、中国人留学生との卓球勝負に挑む!
【講評】
きちんとまとめられたストーリーは大変読みやすく、熱い卓球の試合も楽しめました。しかし、その試合が行われる理由がよくわからない、という点は問題です。現状ただの私闘にしか見えず、必然性がよくわかりません。試合に向けてストーリーを盛り上げていくこと、キャラクターに新しさをだすこと、も課題でしょう。
ドールリアム / 最子。
ドールリアム / 最子。
薬草をとるために、魔物が住む森へ入った少年・アムスは、そこで魔法の糸で作られた人形・ドールリアムの少女・ルリアに出会う。
【講評】
独特の世界観を作り出すこと、キャラクターの感情を描くことに成功している点は、好印象です。ただラストには不満が残ります。悲しい結末が悪いわけではないのですが、主人公が、ほとんど傍観者のようになってしまうのはもったいないと思います。主人公が頑張る様をもっと見せるとよかったのではないでしょうか。
哀心MAGIC / 佐藤イヅミ
心MAGIC / 佐藤イヅミ
旅する少女・アイリーンとねずみのオズは、立ち寄った村で強盗集団に襲われてしまう。自由を奪われ、危機に陥ったアイリーン。そのときオズは…。
【講評】
綺麗な絵と、かわいらしいキャラクターが魅力です。絵にはセンスがありますが、その絵を生かすには、きちんとしたストーリーとキャラクターが必要です。これと言ったストーリー、ドラマがないのは問題です。描きたいものを追求した、そしてきちんとつくりあげられた物語を持つ次回作を期待します。
サンタクロースリンダ / 清水康臣
サンタクロースリンダ / 清水康臣
季節はずれの夏に、少年・山本の前に現れた、新米サンタのリンダ。彼は山本の心の奥に眠る強い想いに導かれてやってきたらしいのだが…。
【講評】
勢いのある絵、熱いストーリーとかっこいい見せ場が、素晴らしいです。その反面、詰め込みすぎのコマ割りや、どんどん後出しされる設定など、読みにくい部分があるのも事実です。もう少し話を整理し、シンプルに見せれば、もっと優れた作品になったのではないでしょうか。
オレのお師小様 / 下郷龍平
オレのお師小様 / 下郷龍平
強くなるため、喧嘩にあけくれる少年・コウガは、圧倒的実力を持つ少女・あずさに弟子入りしようとするが…。
【講評】
ストーリーに勢いがあり、またキャラクターも上手に描けています。気持ちよく読めました。ただし画力は圧倒的に足りていません。猛練習が必要でしょう。主人公が強くなりたい! と願っているはずなのに、最後お師匠様の力で全てを解決してもらうのも物足りない印象があります。
Buster Hole / 春田隆行
Buster Hole / 春田隆行
都市に広がる広大な地下空間。そこの治安を守る組織・バスターホールの見習い・ケイスケは、見習いからの昇格をかけた任務に挑む。
【講評】
テンポよく進むストーリーと、主人公のキャラクターが気持ちいい作品です。地下空間というアイデアも悪くないと思います。ただ、全てテストでした、というオチも含め、全体に緊張感不足なところが多いのは課題でしょう。絵もまだまだなので、頑張ってください。
フライト / 真崎常盛
フライト / 真崎常盛
人々が飛行機で空を飛び交う世界。傲慢さが原因で天界を追われた神・マリーチは、下界で運送業を営む飛行機乗り・ハルと出会う。
【講評】
キャラクターの気持ちや、物語を丁寧に描こうとしている点は好感が持てます。あとは画力でしょう。デッサンに気をつけたり、機械をリアルに描くよう心がけてください。また描きたいものに寄りすぎて、状況が掴みづらいことがあるので、たまには引いて全体図を描くようにするとよいのではないでしょうか。
エースのブサダ君 / 若菜
エースのブサダ君 / 若菜
自らのよこしまな野望のために、バレー部マネージャー・梅子は全国レベルの実力を持つが、不細工な新入生・房田を部に勧誘しようとする。
【講評】
マネージャーのよこしまな性格がとても魅力的でした。明るい話も楽しめます。ただ主人公キャラがあまり目立たなかったのは残念です。もっと主人公の強さや、頑張りを見せないと、最終的にあまりかっこよく見えてきません。房田君の全国レベルの実力が、もっと見えやすいようにして欲しかったです。